建材に使われる集成材・無垢材とは??
建材に使われる集成材とは?長所短所は?
近年当たり前のように住宅に使われている集成材、
これがいったいどういうものでどのような経緯で普及してきたのかご存知でしょうか?
集成材は、ラミナと呼ばれる挽き割った板材を接着剤で貼り合わせたもの。
これを一本の柱や梁として構造躯体に使います。100年ほど前にドイツで生まれた材料で、
日本の住宅に使われるようになってから、まだ十数年という、歴史の浅い材料です。
▽集成材が普及した理由は?
●天然無垢材の柱や梁を乾燥させるより、手間いらず。寸法変化が少なく、面倒なクレームが起きにくい。
●板材なので無駄にする材料が少ない。(見た目の悪い材も、良い材で挟んでしまえば見えません)
●材料の取扱いが非常に簡単。(熟練の技が不要)
しかし、ここにはお施主さんにとってのメリットは見当たりません。あくまで売る側、業者側のメリットだけです。
▽集成材のデメリットは?
健康、耐久性、環境の面から見て、どれに対しても難点があります。
しかし、はく離や健康を害する報告があっても当たり前のように普及しており、事件への対応もずさんです。
国が危険性を考慮して改善する法律ができるまで、相当な時間が掛かることでしょう。
▽健康に害がある
レゾルシノール系接着剤に含まれるホルムアルデヒドは、「シックハウス症候群」を引き起こす原因物質のひとつ。
家に長時間いる主婦や抵抗力の弱い子ども、お年寄りに発生率が高いとされ、
眼やのどの痛み、めまい、吐き気、頭痛、皮膚疾患といった初期症状から進み、神経障害、化学物質過敏症などに至ります。
特に、有害物質を受け入れる許容量が小さな乳幼児への影響は深刻です。
▽耐久性が心配
繰り返しになりますが、集成材はラミナを接着剤で貼り合わせたもの。
つまり、その耐久性とは「接着剤の耐久性」なのです。
柱や梁という家の骨格を成す材料の要が接着剤とは、何とも心もとないものです。
接着剤は湿気に弱く、また老朽化などからはく離する恐れがあります。
▽環境にも悪影響
廃材を焼却処分する時、接着剤からはダイオキシンなど有毒な化学物質が発生します。
また、天然無垢材と違い、一度濡れるとはく離を起こしやすく、リサイクルが難しい材料です。
(天然無垢材なら古民家や蔵を移築したり、梁や柱を再利用できますよね)
「集成材は、木材を有効に使うから環境にやさしい」というイメージがありますが、実はこのような弊害があるのです。
▽「強度」は
特別に優れている訳ではありません。
一般住宅で例えれば、同じ荷重を支えるのに、1つの天然無垢材で支えるのと、
半分の大きさで2段にするのとでは強度が変わります。
1段の強度が半分以下になるため、2段にしても1つの材と同じ強度にはなりません。
集成材では、その不足した強度を接着剤で補っているのです。
しっかり乾燥した天然無垢材は、集成材より強度があります。
集成材の方が強度があると宣伝する会社もありますが、未乾燥の天然無垢材との比較ですから当てになりません。
このように集成材には売る側に取ってはメリットがあるものの、
お施主さんにとってはデメリットばかりの建材だということがわかります。
無垢材を使いこなそう!木を活かした木造住宅とは?
「一物全体」という言葉があります。
これは、この世に存在する生命はそれを構成する部分・要素が協力しあってほどよく全体のバランスを保っており、
自然のままの形で存在するときに最大限のパワーを発揮する、ということを意味します。
▽集成材と無垢材の違い
木材についても、異なる木ばかりをたくさん集め、接着剤で貼り合わせた人工的な集成材よりも、
一本の木として自然のままの姿を残す無垢材のほうが、はるかに品質が高いことは明らかです。
「無垢」は文字どおり、余計な加工をせず、木の特徴をそのまま活かしたものであることを表します。
木目があり、節目があり、色合いや香りがあり、生き物が生き物らしく感じられるからこそ、味わい深いものなのです。
▽無垢材のデメリット?
無垢材は反る、割れやすい、”くるい”が生じると言われることがありますが、
これは乾燥が中途半端な場合に起こることで、無垢材に対する大きな誤解です。
しっかりと乾燥させた無垢材には、少しのくるいも生じることはありません。
▽木を活かした木造住宅
木の本当の良さを知る大工は、集成材ではなく、無垢材を使いこなします。
昔の木造建築は、棟上げをして骨格ができれば一年ぐらいは風雨にさらし、
充分に自然になじませ、乾燥させたうえで完成させていたものです。
また現代は、住宅の高気密化、エアコンの普及で、
自然界にはない室内環境に無垢材を対応させる必要があり、優れた人口乾燥の技術も求められています。
こうして充分に乾燥させた無垢材を使った建物こそが、本物の味わいのある住まいであると言えるのです。
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