前回は基本的な家事導線の考え方をご紹介しましたが
引き続き家事導線を考える上でのポイントをご紹介していきます。
ポイント2・優先するものを決めよう
すべての家事動線についてシンプル化を図るのも難しいもの。
収納スペースの確保や効率の良さだけを追求して他の要素をないがしろにすると、
水回りの配置がヘンテコで思ったより施工にお金がかかってしまったり、
人の行き来が多すぎるためにリビングで寛げなかったり、
あるいは収納スペースが足りない・階段の勾配が急すぎて使いづらいなど、理想とは程遠い間取りになりがちです。
まずはご自身の生活スタイルを思い浮かべながら、どの家事動線を優先するべきか見極めてみましょう。
とはいえ、やっぱりどの家事動線を優先するべきか分からない、と決めかねる方もいらっしゃると思います。
そこで少し視点を変えて、快適な間取りを選ぶポイントを考えてみましょう。
暮らしの優先順位
あなたの毎日の暮らしの中で、優先順位の高いものは何でしょうか?
家事の時短?それとも育児や介護のしやすさ?可愛いペットとの共同生活?
ワーキングスペースの確保が最優先だという在宅ワーカーの方や、
あるいは友人や知人を招いてのホームパーティーが欠かせないなんていう方もいらっしゃるのでは。
そういった、暮らしの中の「どうしてもはずせないもの」を、
思い切って間取り選びの中心に据えてしまうことも大事かも知れません。
暮らす人の生活パターン
毎日をどんなリズムで過ごしていますか?
例えば家族の中の誰かが早朝や深夜に活動するなど、
その家で暮らす全員の生活リズムが揃わないご家庭も多いのではないでしょうか。
そういった場合には、お互いの休息時間に差し障らないように、
活動スペースの物音が寝室に影響しづらいような工夫があると過ごしやすくなります。
逆に全員がほぼ同じ時間に起きて、会社や学校などに出かけるような生活リズムだと、
朝はサニタリー周辺が混み合いやすくなりますので、
スペースを広めに取ったり廊下が混み合わないような工夫があると快適になるでしょう。
あるいは来客の多いお家なら、
洗面所の洗濯物や雑多な小物・換気中のバスルーム・バルコニーや庭に干した洗濯物など、
他人の目に触れさせたくない生活感のあるものから、
視線をさり気なく遮られるような工夫があるとスマートです。
なんとなく家事動線の目安が掴めて来ましたか?
生活導線や掃除導線、通勤導線、衛星導線、来客導線など生活する中で考えられる導線は沢山ありますが
やはり一番最初に考えるべき導線は、家事導線だと言えます。
日本人の家事にかける平均時間は男性62分・女性299分と言われていて
なんと、日本人女性は、1日のうち5時間も家事をしているんです!
女性にとって、家事を少しでも楽に、効率よく、快適にできるかどうかは、家づくりにとって最重要テーマの1つですよね。
ちょっとした工夫で、とても過ごしやすく快適な間取りに変身します。
新築を建てるとき、間取り図を見ながら家事導線はできるだけ短くなるように、
またあなたやご家族の生活の様子も考えながら具体的にイメージをして計画してみてください。
炊事・洗濯・掃除など、毎日の家事はとても大切な仕事です。
積極的にアイディアを提案して、家事動線を最適化し、納得のいく住まい作りをしましょう!
動線をスムーズに描くことができれば、家の中での作業がしやすく、
またコミュニケーションを取りやすいなどのメリットもあります。
最初のうちは少し難しいかもしれませんが、いろいろと考えていくうちに良いアイデアが浮かぶと思います。
判断に迷ったら設計のプロに相談するという手もあります。ぜひ、快適な動線ですごしやすい家を目指してくださいね